U.S.ビザ

アメリカでのアーティスト活動にはビザが必要

アーティストの方針が「アメリカで戦おう」ということになれば、アメリカでの活動が必要です。
いくらストリーミング・サービスが音楽の主流になったとはいえ、プロモーションやライブ活動のために頻繁にアメリカを訪れる必要があります。曲作りやレコーディングも、アメリカの一流のプロデューサーやソングライター、ミュージシャンたちとやったほうがアメリカというマーケットによりフィットするものが出来上がるかもしれません。

アメリカは移民の国です。ですから、ビザも簡単に出そうな気がするかもしれませんが、そんなことは全くありません。エンタテインメントマーケティングでは、カリフォルニア弁護士事務所でアーティストやミュージシャンのビザ取得を専門とする事務所と契約し、アーティストのビザの取得をサポートしています。

ベテランのミュージシャンは昔の記憶があるので、彼らに聞くと「いつも観光ビザで入国して演奏してるよ」とか言う人もいるかも知れません。実際、昔はそうだったみたいです。しかし、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件以後、アメリカ国内でのテロの危険性がクローズアップされるにつきどんどん審査が厳しくなり、2017年にドナルド・トランプが「アメリカ・ファースト」を掲げて大統領に就任してからは、さらに厳しくなっています。2021年には大統領が民主党のジョー・バイデンに代わったので多少は厳しさが弱くなるのではないかという観測が流れていたのですが、この時期新型コロナウイルス感染症の感染拡大でそもそも日米間の行き来に大幅な制限がかかっているので、実態はまだよくわかっていません。

2017年に日本のベテラン・バンドがシカゴの空港で入国しようとして、強制送還されたことがあります。

一度こうなってしまうと最低数年はビザの取得は無理でしょうし、その後たとえ観光でアメリカを訪問しようとしても観光用のビザを取得しなければなりません。こうなってしまうと、事実上アメリカでの活動の道は絶たれてしまいます。

お金もかかるし、面倒ですが、アメリカでエージェントやメジャー・レーベルとの契約が成立して、彼らが「出費してでもアメリカにいてほしい」ということになるまでは、アーティストやマネジメントが費用を負担して正式なビザを取得しましょう。

アーティストが必要なU.S.ビザ

アメリカでアーティスト活動をするために取得できるビザは2種類のどちらか「Oビザ」か「Pビザ」です。
「Oビザ」はソロ・アーティストに必要なビザ、「Pビザ」はバンドなどの集団が必要なビザです。

アーティストが取得する「Oビザ」は「アーティスト・ビザ」ともいわれ、ピッカピカの、最高峰のビザです。取得条件には「(科学、芸術、教育、ビジネス、スポーツの)その分野において業界のトップ数パーセントのうちの1人として卓越した才能の所持者である」と認められる人だけの限られたビザです。アメリカの有力なエージェントやレコード・レーベルが「自分のビジネスにどうしてもこの才能が必要だ」とでも言わない限り発給されないようなビザです。(参考ウェブサイト:A List of NIV Types:APPLY FOR A U.S. VISA https://www.ustraveldocs.com/jp/jp-niv-typeall.asp )

ニューヨークに渡った渡辺直美さんのInstagramを見ると「3年間アメリカで仕事出来るビザを取得した」と書かれているので、どうやら彼女はこの最難関の「Oビザ」を取得できたようです。

 

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「Oビザ」の有効期限は最高3年で、その間は自由にアメリカと外国の間を行き来できます。期間中は何回でもこのビザで入国できるということです。

ミュージシャンの場合は、コンサートの契約があり、これを実行するためにアメリカに滞在が必要である、ということを証明し、契約している最初の1本から最後の1本までがビザの対象期間となります。この契約書の提示なく3年間のビザが出るというのは、エージェントなどの有力なアメリカの会社が「この人がこの期間ずっと必要」という請願をするものと思われます。

ツアーの本数が少なく必要滞在期間が短い場合には最短1か月、ミュージカルに長期の出演契約があるとか、ラスベガスのホテルと長期契約している、またはテレビ番組のレギュラー出演の契約があるなどの場合、最長3年まで発給されますが、期間は契約の出演一本目から最後までに限られるため、「必要な期間だけアメリカにいて稼いでいいよ」という許可が与えられるわけです。

バンドが取得する「Pビザ」は「Oビザ」よりももう少し現実的です。対象は音楽バンドのほか、スポーツ選手やエンタテイナーのグループです。(https://www.ustraveldocs.com/jp/jp-niv-typeall.asp
「Oビザ」は、その分野において業界のトップ数パーセントのうちの1人として卓越した才能の所持者であることを証明しなければ支給されないわけですが、「Pビザ」は「国際的に認められたグループ」であることを示せば良いので、少しは現実的か、と思います。

なぜビザの支給には「その分野において業界のトップ数パーセントのうちの1人として卓越した才能の所持者」だったり「国際的に認められたグループ」だったりしなければならないのでしょうか? それはこういう人であれば、アメリカ人の仕事を奪う可能性がないからです。
凡庸なアーティストが国外からどんどんアメリカに入ってきて演奏活動を行うと、本来出演できていたアメリカ人のアーティストの枠を奪い、仕事を奪ってしまう可能性があるからです。しかし「その分野において業界のトップ数パーセントのうちの1人として卓越した才能の所持者」だったり「国際的に認められたグループ」だったりすれば、アメリカ人の仕事を奪うことはないだろう、ということなんです。
では「ノー・ギャラ」であればいいのでしょうか? アメリカの弁護士によると「ノー・ギャラであっても、その枠がアメリカ人から奪われる」ことには変わりがないので、やはり正規のビザは必要だということです。

なお、レコーディングに関しては話が少し違います。レコーディングはアメリカで行うけれども日本のレコード・レーベルのためのもので、これからの収入は日本の企業から受け取る場合には、OビザとかPビザがなくてESTAでも入国できます。しかし、アメリカのレコード・レーベルのために行うレコーディングで、収入もアメリカの企業から受け取る場合は、ESTAでの入国は避けたほうがいいようです。出入国管理者にとっては、観客のいるコンサートなどとちがい、レコーディングはアメリカでなくてもできるだろう、と考えるのですね。アーティストからすると異論はあるかもしれないけれど、当局はこう考えるようです。

ビザ申請の方法

ビザの申請は日本のアーティストやマネジメントが行うのではなく、アメリカの会社が行います。アメリカの会社が「この仕事を実行するためにはこの人たちが必要だ」と言って申請するわけです。将来、メジャーなエージェントやレコード・レーベルがこの申請をしてくれるようになるまでは、エンタテインメントマーケティングのUSオフィスが「この人たちが必要だ」と申請することになるのです。
あくまでこれはアメリカの企業が自身の業務を成功させるために外国籍の人が必要である場合に、アメリカ法人が政府に請願する形で申請するものであることを忘れてはなりません。

「Oビザ」は「その分野において業界のトップ数パーセントのうちの1人として卓越した才能の所持者である」と認められた人のビザですから、これを証明する必要があります。

  • 例えば、アカデミー賞、エミー賞、グラミー賞または監督協会賞などの国内外の著名な大賞の受賞候補者にノミネートされた、または受賞したことがある場合は、その事実を証する資料。

音楽アーティストだとアメリカ国内の賞だとグラミー賞ということになりますね。「日本レコード大賞」のような日本の音楽賞を同様に認めてくれるかどうかは、申請してみないとはっきりしません。基準は明らかにはなっていないのです。
また、以下のうちの3点以上が必要となります。アメリカ移民局は提出された資料のいずれかを不十分とみなす可能性があるので、準備する資料は、多ければ多いほど良いのです。

  • 極めて著名な作品や公演に本人が主役またはスター級として出演したことがあるか、出演することになっている場合は、その事実を確認できるような新聞や雑誌に掲載された評論、宣伝広告資料、新聞発表、ポスターその他の印刷物や契約書、保証書等のコピー。
  • 本人がその業績により国内的または国際的に高い評価を受けている場合は、その事実が確認できるような大手の新聞、業界紙、雑誌その他の出版物に掲載された評論または本人に関する記事のコピー。
  • 本人が著名な一流の組織や団体のために主役級、スター級またこれに準ずるような重要な役で主演したことがある場合は、その事実が確認できるような新聞、雑誌その他の出版物に掲載された記事のコピーまたはどう事実を確認したかの宣誓供述書。
  • 本人が業界において成功を収めて巨万の富を築いていたり、評論家の間で絶賛されていたりするという場合は、その事実を確認できるような資料。
  • 本人の専門分野における業績が関係団体、評論家団体、政府機関その他の著名な専門家の団体から高く評価されている場合は、その事実を証する資料。
  • 本人が専門分野に従事している他の者と比較して多額の給与、出演料その他の報酬の支給を受けていたり、既に受けていたりする場合はその証明。

これを提出した上で、同業者団体(Peer Group)や労働組合(Labor Organization)、経営組織などから意見書(Advisory Opinion)をもらう必要があります。音楽アーティストならAmerican Federation of Musicians(AFM)からですね。AFMからはこのようなレターが発行されます。

AFMが発行してくれるレター

「Pビザ」も、これに準じる資料が必要です。ライブやレコーディングの契約書も必要です。
これらが揃った段階で弁護士に依頼して、弁護士費用を支払うことになります。弁護士と我々で、ビザ取得の難易度を考えます。ここで、弁護士の費用の見積もりが出ます。アーティスト一人あたり日本円換算で50万円程度は必要だと思います。バンドであれば人数分の費用が必要です。4人バンドなら200万円くらい、ということです。この費用が出せないのなら、ビザは諦めて、何か他の方法を模索しましょう。また気をつけなくてはいけないのは、弁護士に支払ったお金は、ビザの取得に成功しなくても戻ってこないということです。
揃えた資料では不十分で「これではとても申請できない」ということもあり得ます。この場合はジタバタしないで諦めましょう。弁護士は、どんな資料が必要なのかアドバイスをくれるので、この資料が揃うように活動の中でやっていきましょう。資料が十分揃った段階で再度弁護士に見てもらうのです。
初回では弁護士に「不十分」と言われたのだけれど、たまたまアメリカの有名メディアに取り上げられたら一気にそれでオッケーになるケースもありました。

ビザの取得には2か月くらいはかかります。「Express」というサービスもあるにはあるのですが、割増料金が必要ですし、画期的に早くビザの取得ができるかというとそうでもありません。

最終段階は、アメリカ大使館または領事館での面接です、この面接は日本語でもできるようになっています。大使館または領事館に手数料を支払い、パスポートを預けてきます。ビザが認められると1週間くらいでビザのステッカーを貼り付けたパスポートが送られてきます。

ビザの実物

面倒くさいこと甚だしいですが、これもアメリカを主戦場にグロ=バルに活動するための一歩です。がんばりましょう。

「いますぐにアメリカのビザがほしい」という場合は、少しでも早くエンタテインメントマーケティングにご連絡ください。

エンタテインメントマーケティングのアーティスト・サービス・メニュー

1. プランニング

2. 資金集め

3.マーチャンダイジング

4.英語教育

5.音源制作

6.動画制作

7.ストリーミング配信、フィジカル製造、流通の手配

8.デジタル・マーケティング & プロモーション

9.トラディショナルなメディアへのプロモーション

10.U.S.ビザ取得

11.ライブ・ブッキング

12.ファン対策

13.支払(印税分配)

14.メジャー契約サポート

15.セールス分析

16.プランニング(修正)

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