ストリーミング数を保証するような有料サービスを使ってはいけません
音楽の聞かれ方がストリーミングに移行するに従って「Spotifyでの再生回数を増やしたい」「良いプレイリストに掲載されるためにはまず再生回数の伸びが必要みたいだから」という要望が多く寄せられます。
こういう時についつい使いたくなるのが、有料で再生回数を保証するサービスです。
僕のFacebookにも、こんな広告がたくさん表示されます。
みなさんも、似たような感じかもしれません。
こういったサービスは、アーティストやマネジメントからお金を受け取って自社のプレイリストに入れ、これをロボットで再生させることによって再生回数を稼ぐ、というサービスを提供しているのです。
ところが、Spotifyは、こういったサービスを禁止しています。
Paid 3rd-party services that guarantee streams [Spotify for Artistのヘルプ・ページ]
Paid 3rd-party services that guarantee streams aren’t legitimate.
3rd-party promotional services that advertise streams in return for payment violate our terms & conditions, and using them could result in your music being removed from Spotify. Any service that claims to offer guaranteed placement on playlists on Spotify in exchange for money are in violation of our terms & conditions, and they shouldn't be used.
Read our blog for a guide to gaining an authentic following through Spotify’s tools and resources.
簡単に翻訳すると、
ストリームを保証する有料のサード・パーティ・サービスは合法ではありません。
支払いの見返りにストリームを宣伝するサード・パーティのプロモーション・サービスは、利用規約に違反しており、それらを使用すると、Spotifyから音楽が削除される可能性があります。お金と引き換えにSpotifyのプレイリストに保証付きの配置を提供すると主張するサービスは、利用規約に違反しているため、使用しないでください。
Spotifyのツールとリソースを通じて本物のフォロワーを獲得するためのガイドについては、ブログをお読みください。
で、Spotifyの「Release Guide」というブログを読むように勧めています。
つまり、このようなサービスを利用すると、最悪あなたの曲がSpotifyから削除されてしまうというのです。
Spotifyは常に規約違反をチェックしているので、これはとても大きな被害をアーティストにもたらします。絶対に、やめましょう。
音楽ストリーミングだけでなく、インターネットのプラットフォームは、常に運営者のアルゴリズムの裏をかくサービスと戦っています。例えばGoogleの検索結果のより上位に掲載されるような作業をSEO (Search Engine Optimization) といいますが、Googleのアルゴリズムの一つに「信頼できるウェブサイトからリンクをされているページのランクが高くなる」というものがあります。業者はこの裏をかき、Googleが「信頼できる」と評価しているけれども使用が終了するインターネット・ドメインを買収し、ここからのリンクすることを商売にしている業者がいました。Googleはこのようなドメインを特定し、ここからリンクされているページのランクを下げ続けることによって、このようなGoogle規約違反の業者を排除したのです。
あなたの曲がSpotifyからなくなってしまわないように、日々のファン・エンゲージメントの獲得に頑張るしかありませんね。
現代の音楽プロモーションは「何かでドカンと一発」ということがなくなりました。20世紀なら、特定のタイアップで「ドカンと一発」なんていうこともありましたが、こんなことは現代ではありません。TikTokをきっかけにLil Nas XやFleetwood Macが話題になることはありましたが、いずれもアーティストやマネジメントやレーベルがコントロールした結果ではありません。
毎日毎日、SNSでファンとコミュニケーションして、これをずっと続けていく、だなんてうんざりするような地味な作業ですが、いまはこれが大事な時代なんです。
こういう地味でアーティストやマネジメントがイヤな作業を請け負っているのがエンタテインメントマーケティングなんですけど(笑)。
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pdfデータのダウンロードの他、ご希望の方には印刷した冊子を郵送します。