音楽とは「青春を引き延ばす仕事」なのかもしれない

ABBAが復活するのだそうです。

2021年11月5日に新作のスタジオ・アルバム’Voyage’をリリースし、このアルバムから‘I Still Have Faith In You’と‘Don’t Shut Me Down’の2曲が先行して2021年9月3日にリリースされました。
この復活に際し、完全なオリジナル・メンバー4人は、10人編成の生バンドとデジタル的に共演するコンサート’ABBA Voyage’をロンドンのクイーン・エリザベス・オリンピック・パークに設置される3,000人収容の最新鋭アリーナ『ABBAアリーナ』で2022年5月27日より開催するのだそうです。

‘I Still Have Faith In You’

‘Don’t Shut Me Down’

ABBAは1972年から1982年までの10年間活動した世界的なグループで、日本では劇団四季がミュージカル化した「マンマ・ミーア(1975年)」「ダンシング・クイーン(1976年)」「チキチータ(1979年)」などの数多くのヒット曲があります。

‘Mamma Mia’

‘Dancing Queen’

‘Chiquitita’

CD(コンパクト・ディスク)が1982年に出た時、選ばれて最初に発売された1枚がABBAのアルバム「ザ・ビジターズ」でした。

当然若い層は40年以上前に活動していたABBAなんか知らないわけで、どんな層が彼らの復帰を喜ぶのでしょうか?
若いときに聞いた音楽がその後の人生をずっと付きまとうという研究成果があります。
元Googleのデータサイエンティストであり、ペンシルバニア大学ウォートンスクールの元客員講師であるセス・ステファンズ・ダヴィドヴィツの研究です。
https://www.nytimes.com/2018/02/10/opinion/sunday/favorite-songs.html
この研究は2018年2月に発表されたもので、Spotifyの年齢別の視聴回数をランク付けし、昔のヒットがどの年齢で上位になっているかをいくつもの曲で調べたものです。
この研究によると、2017年にSpotifyで1993年のヒットJanet Jacksonの’That’s The Way Love Goes’のランキングが最も高いのは35歳。リリースのときに11歳だった人たちです。

セス・ステファンズ・ダヴィドヴィツの研究成果

同様に、The Cureの1987年の’Just Like Heaven’はリリース時11歳だった41歳の人たちがピーク。1964年のRoy Orbisonの’Oh, Pretty Woman’はリリース時17歳だった69歳の人たちがピークです。
人々はティーンエイジャーのときに最も音楽からの影響を受けやすく、この曲を大人になってもずっと聞き続ける傾向があるのですね。

このことから、復活するABBAを歓迎するのは世界中の50代から60代の、ABBA全盛期にティーンエイジャーだった人たちということになるのでしょう。

音楽の仕事というのは「青春を引き延ばす仕事」なのかもしれません。

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