ストリーミング公開後に修正を加えることもできる

ふつうの制作だと、制作途上で吟味して吟味して最終バージョンを悩みまくって決めて、それをリリースします。
最近話題になっているのは、Kanye Westがアルバム'Donda'のリリース後に、最初とは違うバージョンに差し替えていることです。

18曲目の'New Again'には当初Chris Brownのヴォーカルが収録されていたのですが、これがバッサリ切られてゴスペル・コーラスが入りました。

16曲目の'Keep My Sprit Alive'に当初フィーチャーされていたKayCyyのパートもなくなっています。
その他、ミックスも当初と変わった曲があるそうです。

同様のことはDrakeも行っており、他のプラットフォームは変えないけれどApple Musicのバージョンだけ違ったりしているようです。

こういう「アジャイルな」方法は、極めてインターネット的と言えます。CDは原版を向上に入れてしまったら、以後よほどのことがない限り、バージョンを差し替えるなんていうことはしません。
ストリーミングでは、いったんリリースしてからもデータの差し替えをすれば同じ曲でも別のバージョンを試してみることができるのですから。
レーベルによっては管理セクションから「同一楽曲であっても別のバージョンであればISRCという番号を変えるのが普通だから」などと言って、こんな面倒くさいことはしてくれないかもしれないんですけど、Kanye WestやDrakeは、こういう要請も通っちゃうようですね。
インターネットでは、広告を出稿する際にいくつものバージョンを同時に出稿して効果のあったものを残して効果のなかったもののを出稿をやめたり、予算の配分を変えたりします。
クラウド・ソフトウエアも完全版とは言えない状態で公開して、頻繁にバージョンアップを加えたりします。
ストリーミングでは、CDの時代には考えられなかったことが色々できるようになっています。

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