最近はオンラインでなんとか合奏できるようになってきました
新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、多くのアーティストにいろんな影響が出ていると思います。
ライブができなくなったりとか、タイアップの計画が狂ってしまったりとか。
でも、バンドにとってはリハーサルができなくって、合わせて演奏することもできなかった、ということは、ものすごく大きな問題だったと思います。
リハーサル・スタジオなんて密集、密接、密閉。「三密」そのものですから。
インターネットが発展しているので、大和証券のコマーシャルみたいに、世界中のミュージシャンがネットを使ってリアルタイムで合奏できるといいのですが、
なかなかこういうわけにはいきません。
バンドのリハーサルをZOOMなどを使って果敢にチャレンジしたバンドもいます。いろいろ見た中で、いちばん大笑いしてしまったのは、Gacharic Spinの動画「【検証】ガールズバンドがテレビ電話でリハしたらすごいことになったwww」でした。
まぁ、こうなるわな。
ヤマハはすごくって、独自に開発した遠隔合奏技術『NETDUETTO(R)』を採用して遅延の少ない音声データのやり取りができるオンラインで合奏できるサービスを開発して、アプリ「SYNCROOM」を無料で配布しています。
https://syncroom.yamaha.com/
リバーブ、メトロノーム、と録音再生機能も搭載されています。
遅延の状況がニッコリ・マークで表示されます。
「オーディオ・プレイヤー」からファイルを選ぶとパソコンに取り込んだ音源を再生しながら演奏することもできます。
いきなり初期設定のままでこれを使うと、どうやら盛大に遅延するらしいのです。最初の頃「音が遅れてまるっきり使いものになんかならない」という声が僕のもとにも届いてきましたが、Wi-Fiじゃなく有線LANで接続したり、オーディオ・インターフェースを変えたり、バッファ・サイズを調整したりすると遅延は相当改善できるみたいです。
実際にやってみた人の記事もいくつかあります。その中の一つ。
「無料リモートセッション「シンクルーム」の遅延対策まとめてみました。」
ヤマハが発表している仕様の通り、光回線と有線によるLAN環境は、遅延を少なくする大きな要素のようです。新人バンドのメンバーの場合、ネット環境はスマートフォンのテザリングで、という人も多いと思うのですが、それだと遅れてしまって演奏にならないかもしれません。
うまく設定をすれば、音だけなら遅延が少なくってまあまあの環境で「SYNCROOM」を使って合奏できそうです。ヤマハさん、ありがとう!
1msecの遅延でも気になって演奏できない人は、無理やりやらなくてもいいですw
でも、特にバンドの場合、リハーサルのときに顔と顔を見合わせながらお互いの様子を見て演奏したいですよね。「SYNCROOM」だけだとお互いの映像まではカバーしていません。これにチャレンジしている人もいます。
「手ぶらで行ってピアノ演奏のハイクオリティ動画が撮れる『白金ピアノスタジオ』」を運営している木村玲さんです。
映像用のツール「ATEM Streaming Bridge」と「SYNCROOM」を併用して遠隔合奏のタイミング合わせにトライしているのです。
ATEM Streaming BridgeとSYNCROOMを併用した遠隔合奏のタイミング合わせがついに調整域に!【木村さんのNOTE】
https://note.com/rkimura640/n/n0fababacc33d
バンドのリハーサル程度なら、まぁまぁ顔が見られれば問題ないので、音は「SYNCROOM」で、画は「ZOOM」で、なんとかなるとは思いますが。
技術が更に進んで、本当にリアルタイムな演奏が可能になれば、遠隔でのコライティングやレコーディングもやってみたいです。
現在は、DAWを使って、まずは最初に仮のドラム・トラックを作って→それを聞きながら生のドラム→それを聞きながらベース→これを聞きながら上モノ、という段取りでレコーディングをしているケースが多いと思うのですが、やはり楽器で音を思うままに出しながら生のリアクション込みで曲作りやレコーディングができたほうが、いいグルーヴが生まれるように思います。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大で一気に進展したテクノロジーが、これからも活かせるといいですね。
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