日本国外、とくにアメリカのマーケットを意識するならTikTokが外せない
日本の意識のままではダメだ、と強く感じることの一つにTikTokの存在があります。
2025年2月13日にTikTokがレポート「2024 MUSIC IMPACT REPORT」を発表しました。
<ニュース・リリース> https://newsroom.tiktok.com/en-us/tiktok-and-luminate-release-latest-music-impact-report
<レポート> https://sf16-sg.tiktokcdn.com/obj/eden-sg/fuuvieh7uvzpsh/Music%20Impact%20Report%20-%20Final.pdf
通常、メディアが自身で発表する媒体資料などは自社に都合がいい部分を抜き取っている場合が多いのですが、このレポートはLuminateと共同発表されているので、信頼度が高そうです。巻末には調査の内容もきちんと記されています。
Luminateは、音楽、映画、テレビなど、エンタテインメント業界全般のデータとインサイトを提供する企業です。200以上の国と地域から音楽デジタルデータを集計し、ビルボード・チャートにデータを提供しています。法人向けに音楽データ分析ツール「LUMINATE」を提供し、業界の意思決定に貢献しています。2023年末には49カ国のストリーミングデータを提供するプラットフォームを開始し、国際的影響力を拡大しています。ペンスキー・メディア・コーポレーションとエルドリッヂの合弁会社の子会社として独立運営されています。
このレポートのポイントは次の7つです。
- 1. 2024年にビルボード・グローバル200に入った曲の84%は、まずTikTokで流行した。
- アメリカのTikTokユーザーは、平均的なショート動画ユーザーよりも、ソーシャル・メディアおよびショート動画プラットフォームで新しい音楽を発見し、共有する傾向が74%高い。
- TikTokに関連するアーティストは、TikTokのエンゲージメントがストリーミング量にあまり関連しないアーティストに比べて、オンデマンド・ストリーミングの年間成長率が高い。平均して、TikTok関連アーティストの前週比ストリーミング成長率は11%であるのに対し、他のアーティストはわずか3%である。
- TikTokを利用するアメリカの音楽リスナーは、アメリカの一般人口よりも有料の音楽ストリーミングサブスクリプションを利用する可能性が68%高い。
- アメリカのTikTokユーザーは、アメリカの平均的な音楽リスナーより48%多くの時間を音楽オーディオのストリーミングに費やしている。
- アメリカのTikTokユーザーは、アメリカの平均的な音楽リスナーより62%アーティスト・グッズの購入金額が高い。
- アメリカのTikTokユーザーは、アメリカの一般人口の約2倍の音楽スーパー・ファンである。
これが実際の姿ですし、アメリカの音楽業界人が普段感じていることはこのようなことだと思います。
ですから、日本国外、特にアメリカのマーケットを意識するなら、いまTikTokはどうしても外せないのです。
TikTokとよく比較されて、日本でもよく使われているのがInstagramの「リール」です。
この2つは、アルゴリズムが大きく異なるので、扱いを変える必要があります。Instagramを運営するMeta社では、InstagramだけでなくてFacebookなどの他のソーシャル・メディアでも「居住地の近い人を重視」して、さらに「興味関心の近い人を重視」してコンテンツを表示させます。TikTokのFor Youでは「興味関心の近い人を重視」しますが、居住地は関係ありません。TikTokで表示されるのは、ロックをよく聞く人には世界中のロックの動画が表示されるのですが、Instagramの「リール」では、居住地の近い人が優先されます。これを意識しないといけないのですね。
日本の人には「TikTokはJKがビキニ着ておっぱいプルプルさせてる場所」というイメージの人がまだまだ多いようです。日本国外のマーケット、特にアメリカを意識するアーティストは、TikTokに積極的に取り組むことをおすすめします。
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