Billboard Hot 100 の上位10曲 2025年09月20日付
http://www.billboard.com/charts/hot-100
ChartExpressが提供する「Billboard Hot 100 Single Charts | Top 10 | Sep 20, 2025 | ChartExpress」は、
個人が作成したSpotifyのBillboard Hot 100プレイリストは
https://open.spotify.com/playlist/6ZkTORGQnmh5ZyVlonudfP?si=78e403eb94ba4db7
1. 'Golden' HUNTR/X: EJAE, Audrey Nuna & REI AMI
2.'Ordinary' Alex Warren
3. 'Manchild' Sabrina Carpenter
4. 'Your Idol' Saja Boys: Andrew Choi, Neckwav, Danny Chung, Kevin Woo & samUIL Lee
5. 'Soda Pop' Saja Boys: Andrew Choi, Neckwav, Danny Chung, Kevin Woo & samUIL Lee
6. 'Tears' Sabrina Carpenter
7. 'What I Want' Morgan Wallen Featuring Tate McRae
8. 'How It's Done' HUNTR/X: EJAE, Audrey Nuna & REI AMI
9. 'Love Me Not' Ravyn Lenae
10. 'Daisies Justin Bieber
今週の1位はHUNTR/X: EJAE, Audrey Nuna & REI AMIの'Golden'。これで5週めの1位です。
トップ10は先週と大きく変わらず、これはグローバルも同様です。
子どもの頃からずっと、毎週のヒット・チャートに注目して、ここ何年かはここにこれを記録しています。これは自分のための忘備録のような意味があると思っていたのだけれど、これだけ前週のコピーのようなヒット・チャートを記録していても、あまり意味を感じなくなりました。
流行りの音楽は毎週変化して「何歳の夏はこの曲」なんていうものと結びついていて、心を震わせるものだったんだけれど、いまやヒット・チャートの上の方を見ても心震えることは何も起こらない。きっとそういうことはヒット・チャート上位じゃないところで起こっているのでしょう。
今週僕の心を震わせたのは、AIで作られたアーティストがレーベルと何百万ドルにも及ぶ契約をしたことでした。
AI Artist Xania Monet Climbs the Charts — And Signs a Multimillion-Dollar Record Deal 【Billboard 有料版】
https://www.billboard.com/pro/ai-music-artist-xania-monet-multimillion-dollar-record-deal/
このアーティストは「Xania Monet(ザニア・モネ)」。Xania Monetはミシシッピ州在住の女性、Telisha "Nikki" Jones(テリシャ・"ニッキー"・ジョーンズ)がAIによって生み出したアーティストなのです。Telisha Jonesは、自分で詞を書き、曲は音楽生成AIの「Suno」を利用して生成したのだ、と語っています。でも、本当に自分で歌詞を書いているのか、100%生成AIを使って作曲したのか、は分かりませんよね。
Xania Monetの楽曲'How Was I Supposed to Know'はストリーミングで再生回数を重ね、R&Bデジタル・ソング・セールス・チャートで1位を獲得しました。
別の曲'Let Go, Let God'はエマージング・アーティスト・チャートとホット・ゴスペル・ソング・リストにランクインしました。
これを見たレーベルの間で争奪戦が起こり、結局メジャーではなく元インタースコープ幹部のNeil Jacobson(ニール・ジェイコブソン)が率いるHallwood Mediaと数百万ドル規模の契約を交わしたとのことです。メディアによってはこの金額は300万ドルと報じています。
Sunoの性能の高さに関しては、Mino Musicで検証した動画を見てみてください。
音楽生成AI最前線!進化のスピードがヤバい【YouTube Mino Music】
レーベルの争奪戦からメジャーが残らなかったのには、生成AIが作った著作物はまだまだグレー・ゾーンだ、という判断もあったようです。今年初め、U.S. Copyright Office(米国著作権局)は、AIを人間の表現のための「補助ツール」として使用することは許容されるものの、「表現要素が機械によって決定されている」場合には著作権は認められないという見解を出しました。しかし、特定の楽曲におけるその境界線はどこにあるのか、についてこの報告書は、それは「ケースバイケース」で判断する必要があると述べているにとどまっています。契約したレーベルは、Xania Monetは、歌詞だけでなく楽曲の制作にも多くの人間の手が費やされていると判断して、原盤と楽曲の両方の権利を所有していると確信しているということのようです。
いまSunoはソニー・ミュージックエンタテインメント、ユニバーサル・ミュージック・グループ、ワーナー・ミュージック・グループのメジャー・レーベル3社から著作権侵害の訴訟を起こされ係争中です。Suno側は、AIは新しい出力を生成するように設計されており、既存のコンテンツを記憶して反復するものではないと主張しています。しかし、この訴訟は、AI技術が急速に進展する中で、著作権の未来とクリエイターの権利を巡る広範な法廷闘争の一部と見なされています。
これからはこういうことも増えていくのだ、と思い、心が震えたのでした。
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