Billboard Hot 100 の上位10曲 2025年05月31日付
http://www.billboard.com/charts/hot-100
Bilboard Officialの「Billboard Hot 100 Top 10 Countdown for May 31, 2025 | Billboard News」は、
個人が作成したSpotifyのBillboard Hot 100プレイリストは
https://open.spotify.com/playlist/6ZkTORGQnmh5ZyVlonudfP?si=6d55435177c8438d
1. 'What I Want' Morgan Wallen Featuring Tate McRae
2. 'Just In Case' Morgan Wallen
3. 'I'm The Problem' Morgan Wallen
4. 'Ordinary' Alex Warren
5. 'Luther' Kendrick Lamar & SZA
6. 'Die With A Smile' Lady Gaga & Bruno Mars
7. 'I Got Better' Morgan Wallen
8. 'Superman' Morgan Wallen
9. 'A Bar Song (Tipsy)' Shaboozey
10. 'Love Somebody' Morgan Wallen
今週は、13週続いたKendrick Lamar & SZAの'Luther'の1位を打ち破る曲が登場しました。初登場1位はMorgan Wallen Featuring Tate McRaeの'What I Want'です。
今週はMagan Warrenの新しいアルバムがリリースされて、ヒット・チャートはMagan Warren祭り。10位以内に6曲が入っています。
1. 'What I Want' Morgan Wallen Featuring Tate McRae
2. 'Just In Case' Morgan Wallen
3. 'I'm The Problem' Morgan Wallen
7. 'I Got Better' Morgan Wallen
8. 'Superman' Morgan Wallen
10. 'Love Somebody' Morgan Wallen
今週'Ordinary'が4位に入っているAlex Warrenで、Morgan Wallenと同じラスト・ネームですが、血のつながりはないそうです。
グローバル・チャートにもこの曲は5位で初登場しています。
グローバル・チャート初登場はもう1曲、7位のJinの'Don't Say You Love Me'です。
今週、Teddy Swimsの'Lose Control'がHot100入り92週を迎え、Glass Animalsの'Heat Waves'の記録を抜きました。
これに関連してBillboardでは「ヒット曲がチャートで長続きしている理由」を分析しています。https://www.billboard.com/music/pop/hit-songs-hot-100-long-runs-teddy-swims-1235982550/
先週、5月24日付のHot100では、トップ10の中でチャートイン週数が一桁の曲はゼロでした。 トップ20にランクインした曲の平均チャートイン週数は30.35週で、5年前(2020年5月30日付のHot 100)の平均は18.75週だったのですから、ヒット曲の寿命がここ5年間で大幅に伸びているのがわかります。
この'Lose Control'は、2023年8月にHot 100でデビューして、2024年3月に1週だけ首位を獲得しましたが、1年以上経ってもトップ20にランクインし続け(最新チャートでは11位)、トップ10に63週ランクインするという記録を持っていますが、これに100位圏内92週という記録が加わったのです。この曲はHot100の99位でデビューし、チャートのトップになるまでなんと32週間かかっているのです。
今週はMorgan Wallenニュー・アルバム'I'm the Problem'収録曲29曲Hot 100に入るという気違い沙汰が起きていますけれど、こういうことでもないと毎週のヒット・チャートは動きません。Hot 100の上位半分には、数ヶ月、場合によっては1年以上にわたってランクインしていたヒット曲が散らばっています。
Billboardの分析によると、
・2024年には良い曲が目白押しで、この曲たちのHot 100入りが今も続いているということ。Shaboozeyの'A Bar Song (Tipsy)'、Lady Gaga & Bruno Marsの'Die With a Smile'、Magan Wallen and Post Maloneの'I Had Some Help'など。
・トップ10に入るまでに以前よりも週数がかかっていること。今週のMagan Warrenのように初登場1位、などというのは大変珍しいのです。
・Chappell RoanやXCXのような、なにか1曲を気に入ったらストリーミング・サービスでファンが探せる十分なバック・カタログを誇るアーティストの楽曲が長生きしていること。「新しい世代は新しいお気に入りのアーティストと曲を見つけると、それを掘り下げている」。
・パンデミックでファンの行動が変わったこと。Teddy Swimsに続く2位の記録を持っているGlass Animalsの'Heat Waves'の記録達成は2022年10月、The Weekndの'Blinding Lights'は2021年4月、いずれもパンデミック後にこの記録が達成されています。
・レーベルの宣伝方法が変わったこと。CD時代はリリース日をピークに持ってくる方法だったが、現在はバイラルの動きをみて、それが良い楽曲やアーティストにプロモーションの力点が置かれています。たとえばBillie Eilishのプロモーション・チームは、当初'Lunch'という曲に力を入れていましたが、ファンの動きをみて'Birds of a Feather'に切り替えました。この曲は現在Hot100に53週間入っており、最高位の2位に達するまでに20週を要しました。
私の意見は、ヒット・チャートに影響を与えるファンの数がストリーミングで増えて、ライト・ユーザーが以前よりも大幅に増えているというのも要因だ、ということです。CDやレコードの売上でヒット・チャートの主要部分が構成されていた頃は、しょっちゅうCDを買って、常に新しい音楽を探しているような熱心な音楽ファンの購買行動がヒット・チャートに影響を与えていました。ストリーミング時代になって、無料もしくは安価な月額利用料で聞くライトなファンのストリーミング再生回数がヒット・チャートに影響を与えるようになったので、このような流れになっていると思うのです。
いずれにせよ、ストリーミング・サービス、ソーシャル・メデイア、そしてパンデミックによってこれらのユーザーが増えたことが今の時代のヒット・チャートの傾向を作っているのだとも思います。
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