ヨーロッパのTikTokは、日本とは全く異なる
日本のアーティストがグローバル・マーケットに出ていく場合、当然最初は無名です。いくら日本で有名であっても、世界的には無名です。
ですから、自分たちのことや、自分たちの曲をどこかで知ってもらわないといけません。
SpotifyやApple Musicでは「おすすめ」の曲を推薦するしくみを持っています。
「おすすめ」の種類
インターネットの世界ではこの「おすすめ」を「リコメンデーション」といいますが、リコメンデーションのアルゴリズムは大きく分けて3つです。
1. 客観的データに基づくリコメンデーション:ヒット・チャートなど
2. 物ベースのリコメンデーション:これを買った人はこれも買っています
3. 人ベースのリコメンデーション:友人から聞いた、権威のある評論家が言っている
「1.客観的データに基づくリコメンデーション」は「Billboard Hot 100」とか「Official Chart U.K. Top40」、「Spotify U.S. Top 50」などのプレイリストです。
「2.物ベースのリコメンデーション」は「Made for you」にあるプレイリストです。これまでのあなたのリスニング傾向のデータをSpotifyは持っていて、これをもとにあなたが好きそうな曲を集めたプレイリストを自動生成します。ですから、同じタイトルのプレイリストでも、あなたと他の人とは含まれる曲は異なります。 YouTubeの「関連動画」に表示される動画もこれと同じようなアルゴリズムで生成されます。
「3.人ベースのリコメンデーション」は、友人からの口コミや、専門メディアでの評論家のレビューなど「誰かのおすすめ」です。この中でも最近影響力が大きいのが「TikTok」です。
2019年初頭にLil Nas Xの'Old Town Road'が大ヒットしてBillboard Hot 100の1位を19週とったときに「TikTok発の大ヒット」と大騒ぎになりました。
日本と大きく異なるヨーロッパのTikTok
日本でもTikTokは人気ですが、使われ方が大きく異なるようです。
TikTokは先日、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スペインで実施した音楽の利用についてのユーザー調査の結果を発表しました。
https://newsroom.tiktok.com/it-it/tiktok-e-la-musica-ricerca
それによれば
- 「新しい音楽を発見するチャンスが最も多いプラットフォームはTikTok」と答えたのが80%。
- 「見つけるのは『おすすめ』から」と答えたのが56%。
- 「曲を『お気に入り』に追加する」と答えたのが47%です。
- 「アーティスト・アカウントのプロフィールを見る」と答えた人が46%。
- 「アーティストをフォローする」のが43%。
2020年秋にフリートウッド・マックの「Dreams」が突如TikTokでバイラル・ヒットしました。ネイサン・アポダカという人が、46万キロ走った車が故障し、くさらずにスケボーで出勤する時に撮った動画にこの曲が使われたからです。
TikTokの「おすすめ」で印象的な動画を見る
↓
発見された曲を『お気に入り』に追加する
↓
アーティストのプロフィールを見る
↓
アーティストをフォローする
↓
友だちにすすめる
↓
バイラル・ヒットする
という流れができあがっているのだ、ということです。
TikTokはアーティストにとって、楽曲を広く、既存のファン以外に知ってもらうためのツールとして活用できるプラットフォームです。チャート入するアーティストだけでなく、インディペンデントアーティストや、実績の無いDIYクリエイターまで、あらゆるレベルのアーティストが、新しいファンを見つけることができるのです。
日本とヨーロッパとでは、TikTokのありようは大きく違うようです。
日本の人気TikTokerのランキングとは、全く違う「リコメンデーション」の世界がここに広がっています。
参考
世界の人気TikTok Star
List Of Top 10 Most Popular Tiktok Stars In The World 2024
From teenagers to the most popular figures on social media platforms, people like TikTok a. Trending List of Top 10 most popular TikTok stars in the world
10代が選ぶ人気2021年上半期TikToker Top 10
【無料冊子ダウンロードと郵送】アーティスト・サービスのメニューのすべて
pdfデータのダウンロードの他、ご希望の方には印刷した冊子を郵送します。