なぜアーティストは本拠地をLAとかロンドンとかにしたほうが良いのか?

 

グローバル

エンタテインメントマーケティングでは、アーティストがグローバル・マケットで活躍したいのなら、本拠地は日本から動かしたほうが良いと考えています。
インターネットの時代、実はアーティストはどこにいてもグローバルな活動ができるのではないでしょうか? まっとうな疑問です。
それでも、エンタテインメントマーケティングは、世界の音楽産業の中心地であるロサンゼルスやロンドン、ニューヨークや、音楽性によってはナッシュビルやマイアミが有利だと考えています。
それはなぜなのでしょうか?

これは単純です。
音楽業界のネットワークは、(ネットではなく)人的にこれらの街にあるからです。
ロサンゼルスやロンドン、ニューヨークには、数多くの音楽関係者が住んでいます。ミュージシャンはもちろんのこと、レーベルやエージェント、マネージャーや、レコーディング・エンジニアなどです。彼らは常に情報収集していて、新しい「メシのタネ」であるミュージシャンを探しています。もちろんインターネットでの情報収集もしますけれど、実はこのど真ん中にあるのがネットではなく、人的なネットワークなんです。

バンドならば、他の同じようなジャンルのバンドのライブに積極的に出かけましょう。パーティは得意じゃないかもしれないけれど、呼ばれたら必ず出かけましょう。こういうときにできたつながりは、ネットでは得られないものなのです。これをきっかけにセッションに呼ばれたり、コライティング・セッションに呼ばれたり、オーディションの声もかかるかもしれません。
こうした街では、そこかしこでコライティング・セッションが行われています。メンバーを募集しているウェブサイトもありますが、一度は会って話して、どんなやつかがわかっていないとやはり呼ぶのを躊躇します。同じように、あなたが曲作りに煮詰まったときにも、気軽に声をかけてコライティングしてみることもできるわけです。もちろん、あなたが日本にいても、SoundCloudなどで公開しているサウンドが気に入って連絡をくれるミュージシャンもいるでしょうけれど、リアルにどこかの家で開かれているコライティング・セッションに参加できるわけではありません。
ですから、家に引きこもっている場合ではありません。家にずっといるなら、日本にいるのと同じです。
活動あるのみです。

アメリカのミュージシャンAri Herstand が書いた'How to Make It in the Music Business'という本があります。多くのミュージシャンに支持されて2版目がシュパンされている、新人ミュージシャン必携の本です。
日本のamazonで買えますし、Kindle版もあります。

この本の169ページに「ARE YOU IN THE RIGHT CITY FOR YOUR MUSIC?」という節があります。ロサンゼルスにふさわしい音楽、ナッシュビルにふさわしい音楽、ラテン・ミュージックならマイアミがいいかもしれないし、テクノならばベルリンが良いかもしれません。この本では、ロサンゼルス、ニューヨーク、ナッシュビル、ロンドンのそれぞれの街に関して、ロサンゼルスならば音楽性に合わせてどこに住めば良いのか、ニューヨークなら、ナッシュビルなら……と、非常に細かく書いてあります。行くべきライブハウスやヒップホップ・クラブやジャズ・クラブなども書いてあります。この本にも新たな本拠地では3年はやれることは全てやって頑張り、それでダメなら諦めて別のことを考えようと書いてあります。「石の上にも3年」ですね。

それほど、人的ネットワークは、音楽活動には重要なのです。

 

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